インスタグラムのアカウントには、一般ユーザーが使用する「一般アカウント」と、企業やクリエイターが利用する「プロアカウント(旧ビジネスプロフィール)」の2種類があります。
本記事では、インスタグラムのプロアカウントについて、メリットや注意点をご紹介します。記事の中では使える機能を一覧にまとめているので、再確認したい方にもおすすめです。ぜひ最後まで読んで、インスタグラムの運用を開始する際やアカウントの種類を変更する際の参考にしてみてください。
※本記事の情報は2022年8月時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。
インスタグラムのプロアカウントとは?
先述の通りインスタグラムのプロアカウントとは、企業やクリエイターが利用するアカウントのことです。プロアカウントには、一般アカウントには無い、ビジネスに適したさまざまな機能が使えます。企業がインスタグラムを運用して、自社のWebサイトへのアクセスや商品の購入、サービスの予約といったユーザーアクションを促したいのであれば、プロアカウントに切り替えておくのは必須事項と考えて良いでしょう。
一般アカウントからプロアカウントへの変更は、アプリ内で簡単に行えます。無料で利用できることから、切り替えのハードルも低いです。
中には「インフルエンサーを目指している」「ハンドメイド品の商業化を目指している」といったほぼ一般人に近い立ち位置のユーザーが、プロアカウントを利用しているケースもあります。
「ビジネス」と「クリエイター」の違い
プロアカウントはさらに細分化され、「ビジネス」か「クリエイター」のどちらかを選ぶことが可能です。この2つは、ユーザーからの見え方や使える機能が微妙に異なります。
ビジネスアカウントは、小売店やローカルビジネス、ブランド、組織、サービスプロバイダーといったジャンルの情報を発信するのに適しています。例えばアカウントのプロフィール画面へ、「道順」や「予約する」といった4つのボタンを表示できるため、実店舗を運営している方は特に便利に活用できるでしょう。
一方でクリエイターアカウントは、インフルエンサーや著名人、コンテンツプロデューサー、アーティスト、公人などに適しており、多様な職種の人々が情報発信のために利用しやすいようになっています。
プロアカウントに切り替える手順
一般アカウントからプロアカウントに切り替えたい場合の手順は簡単です。
[プロフィールを編集]または[設定]から[アカウント]へと進み[プロアカウントに切り替える]を選択します。「ビジネス」と「クリエイター」のどちらか適しているアカウントタイプを選びましょう。その後衣料品や健康、美容など、さまざまなカテゴリの中から該当するもの、もしくは近いものを選びます。連絡先などを追加し、最後に完了を押します。
一般アカウントに戻すこともできる
プロアカウントは、簡単に元の一般アカウントに戻すことが可能です。
そのためビジネスアカウントにせよ、クリエイターアカウントにせよ、切り替えた後に「やはり個人アカウントの方が良かった」となるのではないかと心配する必要はありません。
アプリ一つで簡単に切り替えられるので、まずは試しに切り替えてみても良いでしょう。すぐに一般アカウントに戻し、運用の体制を整えてから再度プロアカウントに切り替えるという手法で運営準備を進めることも可能です。
プロアカウントに切り替えると使える機能
プロアカウントに切り替えると、以下の機能が使えるようになります。
機能名 | 概要 |
プロフェッショナルダッシュボード | パフォーマンスのトラッキング、プロフェッショナルツールへのアクセス、Instagramが発信する情報のチェックなどができる |
アクセス許可のリンク | インスタグラムアカウントをFacebookページにリンクすると使える機能。管理者や編集者としてFacebookページに登録されているユーザーが、リンクしたインスタグラムアカウントでも同じように管理できるようになる |
連絡先情報 | プロフィールの上部に連絡先のボタンが表示され、電話番号やメールアドレスを登録できる機能。ビジネスアカウントの場合は住所も追加が可能。表示/非表示の選択ができる |
カテゴリラベル | プロフィール写真のすぐ下に表示される機能。Facebookページをリンクしている場合、同じカテゴリが表示される。表示/非表示の選択ができる |
インサイト | インスタグラムインサイトにアクセスすることで、フォロワーに関する情報やフォロワーがオンラインの時間帯などがわかる機能。投稿に関するインサイトでは、各投稿のパフォーマンスやユーザーのリアクションが確認可能 |
補助受信箱 | メッセージの受信箱が、メインと一般の2つのタブに分かれる機能。これによりメッセージを整理したり、お知らせを管理したりしやすくなる |
メッセージツール | リクエストを受信日や人気アカウント別にソートできる機能 |
出典:Metaビジネスヘルプセンター「プロアカウントについて」
https://ja-jp.facebook.com/business/help/138925576505882 (2022-08-03)
プロアカウントに切り替えるメリット
プロアカウントに切り替えるメリットには、以下のようなものがあります。
- データに基づいた分析ができる
- プロフィールへビジネスに関する情報を表示できる
- インスタグラム広告を出稿できる
- ショッピング機能が使える
- 管理・運用がしやすくなる
- ユーザーとのコミュニケーションが取りやすくなる
一つずつチェックしていきましょう。
データに基づいた分析ができる
プロフェッショナルダッシュボードやインサイトの情報を活用すると、運用の効果を数値で分析できるようになります。
ビジネスでインスタグラムを運用する場合、企業にとっての利益につなげるという目的があるため、分析によって運用状況を評価するのは大切なことです。分析のタイミングをあらかじめ決めておき、定期的に確認しましょう。
また分析は数字を確認して終わりではなく、そこから施策を打ち立てて実行してください。例えば反響の大きかった投稿と似た投稿を増やしたり、同じ時間帯をねらって投稿したりすることで、より大きな反響が期待できるでしょう。うまくいったかどうかに関わらず、分析や施策の実行を繰り返し続け、内容をだんだんとブラッシュアップしていくことが大切です。
プロフェッショナルダッシュボードの確認方法
プロフェッショナルダッシュボードから分析に必要な情報を得るための手順は以下の通りです。
- インスタグラムのプロフィール画面に移動
- 上部にある[プロフェッショナルダッシュボードを見る]をタップ
- [パフォーマンスをトラッキング]のセクションをタップ
なおプロフェッショナルダッシュボードでは、ツールへのアクセス方法や、インスタグラムが発信する新しい情報を知ることもできます。
[ビジネスを拡大]と[最新情報をチェック]のセクションに分かれており、[ビジネスを拡大]では新たなクリエイターツールやビジネスツールが、どこにアクセスすれば使えるのかを確認できます。ツールの数に応じて展開表示されるようになり、[すべてのツールを見る]をタップするとそのプロアカウントで使えるすべてのツールが表示されます。 [最新情報をチェック]では、インスタグラムからのアドバイスや運用のヒント、ガイダンスなどが確認可能です。分析情報と合わせてチェックしておき、より良い投稿をするためのヒントや、ユーザーに興味を持ってもらうための施策の参考にしましょう。出典:ヘルプセンター
「Instagramのプロフェッショナルダッシュボードについて」
https://help.instagram.com/257516379077270/?helpref
インサイトの確認方法
インサイトは、アカウント全体についての指標と、各投稿についての指標を見ることができます。
アカウントの指標を表示する手順は以下の通りです。
- インスタグラムのプロフィール画面に移動
- [インサイト]アクションボタンをタップ、または、右上のMenuから[インサイト]をタップ
- [概要]セクションで指標をタップ
アカウントのインサイトでは、リーチしたアカウントの数、アクションを実行したアカウント、合計フォロワーの3つの指標と、プロアカウントに切り替えた以降に投稿した内容を見ることができます。
投稿についての指標を表示するには、以下の手順で進めます。
- インスタグラムのプロフィール画面に移動
- インサイトを表示したい投稿をタップ
- 画像の下にある[インサイトを表示]をタップ
投稿インサイトは、アカウントのインサイト画面から、特定の投稿をタップして詳細を確認することも可能です。
確認できる情報には、その投稿が獲得したいいね!やコメント、保存、シェアの数といったものがあります。またエンゲージメントや、リーチしたアカウントの数なども確認可能です。
▼インサイトで見ることができるデータの詳細については、以下の記事もご参考にしてみてください。
「Instagramでアカウントのインサイトを確認する」
https://help.instagram.com/1533933820244654?helpref=faq_content
「Instagram投稿のインサイトを表示する」
https://www.facebook.com/help/instagram/553860108359435?helpref=faq_content(2022-08-04)
プロフィールへビジネスに関する情報を表示できる
先述の通り、プロアカウントではプロフィール画面に連絡先情報として
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所(ビジネスアカウントの場合)
を表示できます。
その他、飲食店やサロンなどを運営しているビジネスアカウントなら、
- 食べ物を注文(料理を注文する)
- 予約する
- 席を予約する
といったアクションボタンが使えるのも便利です。プロフィールには、登録時に設定したカテゴリも表示できます。
ユーザーが「商品やサービスを利用したい」と思った際に必要となる情報は、あらかじめ確実に設置しておきましょう。
またユーザーが興味を持った際にプロフィールへアクセスしやすいよう、導線を意識して日々の投稿をするのも重要なポイント。代表的な施策としては、「プロフィールはこちら」などのテキストとともに、@から始まるIDをキャプションの中に入れておく方法が有効です。
インスタグラム広告を出稿できる
プロアカウントでは、インスタグラム広告を配信できます。インスタグラム広告にはいくつかの配信先があり、中でも過去のフィード投稿を広告として配信できる機能はおすすめです。
費用はかかりますが、投稿を普段よりも多くのユーザーに表示できるので、その分、商品やサービスへ興味を持ってもらえる可能性が高まります。
インスタグラム広告について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
ショッピング機能が使える
インスタグラムには、アプリ内でユーザーが商品の購入まで完結させることのできる「Instagramショッピング」という機能があります。
商品の情報や決済方法を登録し、アプリにECとしての役割を持たせられる機能です。
別途コマースマネージャというツールで登録した情報や、連携している外部のWebサイトで作ったECページの情報を、掲載することもできます。
ダイレクトに売上につながる仕組みのため、物販を主としているビジネスを展開している方は、ぜひ活用しましょう。
管理・運用がしやすくなる
インスタグラムのプロアカウントは、Facebookページと連携させることも可能です。Facebookページは、複数アカウントで一つのページを管理できる仕組みとなっており、連携させることでそのインスタグラムアカウントも同様の仕組みとなります。企業のチームなど、複数人で一つのアカウントを運用したい場合に、活用するとよいでしょう。
またプロアカウントならではの機能に、予約投稿の機能があります。この機能があれば、担当者の休日にも投稿を公開することが可能です。毎日投稿を目指しているアカウントなどは、まとめて予約投稿を設定することで、担当者の作業負担を軽減できるでしょう。
ユーザーとのコミュニケーションが取りやすくなる
インスタグラムのプロアカウントでは、メッセージツールが活用できます。これにより、ユーザーとのやり取りが行いやすくなるでしょう。
プロアカウントのプロフィールにはカテゴリなどが表示されるので、アカウントの目的や内容が、ユーザーへより明瞭に伝わりやすくなるといったメリットも考えられます。
プロアカウントを運用する際の注意点
メリットの多いプロアカウントですが、一般アカウントから切り替えると、できなくなってしまうこともあります。注意点として、
- プロアカウントは非公開設定にできない
- Facebookページへの投稿シェアを行うには事前の設定が必要
の2点をご紹介します。
プロアカウントは非公開設定にできない
インスタグラムの個人アカウントは、投稿の内容を非公開にして、フォロワーのみに表示するよう設定可能です。しかしプロアカウントに変更した場合は、この非公開設定は利用できません。
そのため稀なケースかもしれませんが、特定のユーザーには投稿を表示したくない場合や、投稿するユーザーを制限したい場合などは、プロアカウントに切り替えない方が良いこともあります。このような場合は個人アカウントのまま運用した方が、用途に合っていると言えるでしょう。
Facebookページへの投稿シェアを行うには事前の設定が必要
プロアカウントとFacebookページをリンクさせると、Facebookへシェアする先はそのFacebookページに限定されます。設定の際は注意しましょう。
一方で一般アカウントの場合は、いつでも異なるFacebookページへ投稿できます。
プロアカウントでリンクさせたFacebookページを変更する場合は、一度一般アカウントに戻してから再度プロアカウントに切り替えます。一連の流れの中で、リンクさせたいFacebookページを改めて選択しましょう。
プロアカウントのメリットや注意点を理解して上手に活用しましょう!
ビジネスでインスタグラムを運用する際は、初期のうちに忘れずプロアカウントの設定をしておき、使える機能を存分に生かしましょう。
インサイトなどの情報が新たなファンづくりの足掛かりとなる他、業態によっては直接、売上などの「利益」につなげられる可能性もあります。目標を打ち立て、それに向けてしっかりと分析・改善を繰り返すようにしてください。
しっかりと分析するなら、ツールを導入するのもおすすめです。例えば当社の運用支援ツール「MASAI」なら、フォロワーデータを蓄積し続けることが可能です。
インスタグラムのアプリで表示できるフォロワーデータの最大数は、過去90日分と限られています。MASAIを利用することで、より長期的なスパンでの分析が可能になるでしょう。ぜひ導入を検討してみてください。