Twitter運用をするベネフィットと上手な運用のポイントを徹底解説

Twitterは、140文字以下のテキストを中心としたコンテンツを発信できる、アメリカ発のSNSです。2021年に総務省が行った調査によると、国内の全年代の46.2%がTwitterを利用しています。

Twitterでは、コメントや「いいね」といった機能を利用して、ユーザー同士気軽にコミュニケーションを取ることができます。また第三者へ情報を共有する「リツイート」などの機能もあります。

最近の変更としては、2021年にユーザー同士が音声を通じて交流できる新機能「スペース」がリリースされた他、アメリカでは人気のアカウントがTwitter上のコンテンツで収益を得られる「スーパーフォロー」という機能もスタート。日本版への導入の見通しは明らかになっていませんが、いずれにせよ、今後もさまざまな活用方法が増えていく傾向にあると言えるでしょう。

本記事では世界規模のSNSとして不動の地位を築くTwitterについて、企業として運用するメリットから運用パターン、運用のポイントまで徹底解説します。ぜひ最後まで読んで、企業アカウントの立ち上げやマーケティングへの活用を検討してみてください。

出典:総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査_調査結果報告書」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000831290.pdf(2023-1-9)

出典:ヘルプセンター「スーパーフォローについて」

https://help.twitter.com/ja/using-twitter/super-follows(2023-1-9)

※本記事の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。

Twitter運用とは?

近年、企業がSNSを通じてさまざまな発信をしたり、ユーザーとコミュニケーションを取ったりすることは、もはや一般的となっています。Twitter運用もその一つであり、企業が製品やサービスの提供者としてユーザーへ直接コンテンツを発信することで、ブランドの認知拡大やファンの獲得につなげられるチャンスとなります。

認証バッジの影響力

Twitter運用の際は、認証バッジ(公式マーク)を付与してもらえる運用を心がけましょう。認証バッジとは、アカウントがTwitterに「公式アカウント」として認められた際に付与される、チェックマークのことです。ユーザーは認証バッジの付いたアカウントが発信するコンテンツを、公式情報であると認識します。アカウントの信頼性を高められるでしょう。

Twitterから認証バッジをもらうには、まず、アカウントがある程度有名である必要があります。加えてTwitterが「信頼してもよい」と判断できる、アクティブなアカウントでなければなりません。

知名度が十分でない場合は、Twitter Blueという有料サブスクリプションを利用した上で、Twitterの定める基準を満たすことでも、認証バッジを取得可能です。なお過去には誰でも申請できる仕組みでしたが、Twitter Blueの導入をきっかけに、通常のアカウントからの申請は利用できなくなっています。

出典:ヘルプセンター「Twitterで青いチェックマークを獲得する方法」

https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/about-twitter-verified-accounts(2023-1-9)

Twitter運用の特長

Twitter運用には、Twitterならではの特長があります。

Twitterの爆発的な拡散力を活用できる

Twitterの第一の特長は、「リプライ」や「リツイート」、「いいね」といった機能による拡散力です。フォロワーからリプライなどをしてもらうと、彼らのフォロワーのタイムラインにもコンテンツが表示されます。フォロワーのフォロワーにとっては、フォローしていないアカウントのコンテンツが目に入る機会となる他、そのコンテンツをさらにリプライ・リツイートすることも可能です。

またリプライやリツイートの操作は非常にシンプルで、対象のツイートの画面内で一度クリック/タップをするだけでOKです。ユーザーにとってハードルが低いため、気軽に拡散しやすい仕組みと言えるでしょう。

このような理由から、Twitterでは全くの無名アカウントによるツイートが、何千何万といういいねやコメントを集める「バズる」という事象が頻発します。

アプローチできるユーザー数が多い

Twitterのユーザー数は、2017年の時点で4500万人に上っています。また先述の通り総務省の調査では2021年時点で国内の46.2%の人がTwitterを利用していることが分かっていますが、これは同調査の中でLINE、YouTube、インスタグラムに次ぐ数字です。先ほどご紹介した拡散力も手伝って、Twitterには多くのユーザーにアプローチできるチャンスがあります。

出典:Twitter(@TwitterJP)

https://twitter.com/TwitterJP/status/923671036758958080?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E923671036758958080%7Ctwgr%5E1a37aa29fa3c2d0437ce2ea0e4c6e058e0d3dfdc%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fnlab.itmedia.co.jp%2Fnl%2Farticles%2F1710%2F27%2Fnews086.html(2022-1-9)

アプローチできる年齢層が幅広い

先述した総務省の調査では、10〜30代を中心に、40代は44.8%、50代でも34.3%がTwitterを利用しています。前年の同調査と比較すると、特に30代の利用率が増え48.4%から57.9%と10ポイント近く伸びています。10〜20代の若年層はもちろん、上の世代の利用が増えていることから、Twitter運用は幅広い年齢層へのアプローチが期待できます。

出典:総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査_調査結果報告書」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000831290.pdf(2023-1-9)

運用の自由度が高い

テキストの文字数制限はあるものの、Twitterは原則、コンテンツにさまざまな工夫をしやすい仕様になっています。例えば、SNSの中には投稿の本文中にURLリンクを貼り付けられないものもありますが、Twitterの場合はURLリンクを含んだ投稿が可能です。画像は1つのツイートに対し、4枚まで添付OK。また動画の制限時間もインスタグラムより長く、最大で140秒の動画を投稿できます。先述したTwitter Blueを利用すると制限時間はさらに伸び、最大で10分の動画を投稿可能です。

こういった点を踏まえると、Twitterは、アレンジ次第で独自性の高い投稿を行いやすいSNSと言えるでしょう。

ユーザーとの距離感が近い

Twitterではいいねやリプライといった機能を気軽に使えることから、コミュニケーションを生みやすく、一般ユーザーと企業との距離が近いです。ユーザーから企業に対するアクションが容易なのはもちろん、企業アカウントが無名の一般ユーザーにアクションを起こしても、多くの場合、違和感がありません。ユーザーからの質問に回答したり、クレームに対して丁寧なフォローを入れたりすることで、多くのユーザーの信頼感を増すようなコミュニケーションが取れるでしょう。

また個別のやりとりができるDMでは、第三者に見られない状態で、メールやチャットのようなやりとりをすることが可能です。1対1のコミュニケーションが取れるため、ユーザーの生の声を知ることができます。

<h3>リアルタイムでの反響を得られ

Twitterに発信したコンテンツは、原則公開と同時にフォロワーのタイムラインへ表示されます。即座にリアクションが可能な状態となるため、数分あればそのコンテンツの反響をある程度把握できるでしょう。各コンテンツの公開直後の反響を比較することで、人気のコンテンツとそうでないものがわかるはずです。

またTwitter内の検索にある「最新」というタブでは、検索ワードが含まれる投稿を、新しいものから順番に閲覧することが可能です。加えて、急にツイート数の増えたワードなどは、「トレンド」として検索画面上で見ることができます。

他のSNS運用との違い

Twitterは独自の特長を持つSNSのため、企業アカウントとして運用するにあたり、他のSNSとは異なる部分があることを理解しておきましょう。

Facebook・インスタグラム・TikTokの3つのSNS運用について、Twitter運用との違いを解説します。

Facebook運用

Facebookは実名で登録する必要があり、よりリアルで密なコミュニケーションに特化したSNSです。一方Twitterは、どちらかというと匿名性の高いSNSのため、それぞれアプローチできる層が大きく異なります。

商品やサービスの内容にもよりますが、ターゲットのうち不特定多数のユーザーに宣伝したい場合は、Twitter運用の方が向いているかもしれません。一方Facebook運用は、同じコミュニティや属性を持ったアカウントに対して、信頼性の高い情報を広めるのに適しています。またFacebookユーザーには経営者やビジネスマンが多い傾向にあるため、BtoBの情報拡散を行う目的で運用するのもおすすめです。

インスタグラム運用

インスタグラムは写真や動画がメインのSNSです。短いテキストがメインのTwitterと比べ、先に画像や動画などのビジュアルが目に入る点や、補足的に入力できるテキストの文字数がTwitterより多い点が特長です。インスタグラムショッピングという機能もあり、投稿した画像にECをひも付けることで、ユーザーがインスタグラム内で商品やサービスを購入できるようになります。

ただしインスタグラムでは、テキストにURLリンクを付けることができません。そのため外部のWebサイトなどに誘導したい場合、同じ条件下であればTwitterを運用した方が、ユーザーに分かりやすい導線を作りやすいです。またインスタグラムには、リツイートのような拡散機能もないため、拡散力の点ではTwitter運用の方が大きな効果を期待できます。

TikTok運用

TikTokは、スマートフォンでの閲覧を前提とした、動画がメインのSNSです。同じ動画プラットフォームであるYouTubeと比べると、短い尺の動画が中心となっています。独自のフィルターやBGM設定の機能があり、いわゆるZ世代と呼ばれる10〜20代の若者を中心に、年々利用者数が増加しています。

とはいえ先述した総務省の調査では、2021年時点のTikTokの全年代の利用率は、15.3%にとどまります。Twitterの半分以下のため、より多くのユーザーに情報を届けたいのであれば、現時点ではTwitterを選んだ方が結果につながる確率が高いと言えるでしょう。

もちろん、商品やサービスのターゲットを、比較的若い世代やトレンドに敏感な層に絞り込みたい場合は、TikTokの運用もおすすめです。また30代以上のユーザー数も増加傾向にはあるため、TikTokマーケットは今後大幅に拡大する可能性を秘めています。

Twitter運用で得られるベネフィット

Twitter運用の特長を踏まえた上で、Twitterを運用することで得られる4つのベネフィットについて解説します。

ブランドの認知拡大

Twitterの拡散力を上手に活用すると、ブランドの認知拡大につながります。当然ですが、バズった投稿と自社の商品やサービスがひも付いていれば、そのまま宣伝となるでしょう。またアカウント自体に個性を持たせることで、ユーザーが企業やブランドの雰囲気を覚えやすくなる効果も期待できます。

さらに、Twitterはテキストが中心のため画像の添付が必須ではなく、撮影や加工といった手間を省略できます。簡素なテキストであっても、大きな反響を得られる可能性があるのです。シンプルなツイートは、内容を作成するのにそこまで時間が掛からないことから、結果的により多くの投稿ができるはずです。タイムラインに同じアカウントが高頻度で登場することで、ブランドのイメージが定着しやすくなるでしょう。

ファンの獲得

Twitterのフォロワーは、原則アカウントに何らかの興味を持ってくれていると考えられます。中でも積極的にいいねやリツイートをしてくれるユーザーは、その分アカウントへの関心も高いでしょう。ユーザーとの距離が近い分、適切なコミュニケーションを取り続けることで、親近感や愛着を持ってくれる=ファンになってもらえる可能性が高いです。

またアカウントのファンは、長期的な視点で商品やサービスを利用してくれる可能性のある見込み顧客です。利用後の良い口コミの拡散も期待できます。

商品やサービスの販売促進

Twitterでは、ツイートやプロフィールにURLを貼り付けることが可能です。ECページなどを設定しておけば、ユーザーの関心や購買意欲が冷めないうちに、そのまま彼らを購入や予約の画面まで誘導できるでしょう。

またTwitterアカウントはあくまでも集客用のプラットフォームとして位置づけ、間接的な効果を生む方法もあります。例えばツイートやプロフィールに公式ホームページなどのURLを貼ると、誘導されたユーザーはアカウントの情報を深堀りでき、さらに興味をかき立てられるでしょう。

商品やサービスの改善

リアルタイムでユーザーの反響が分かるTwitterでは、集まったユーザーの声を分析し、そこで得たニーズを次の施策の方針や商品・サービスの開発に反映させることが可能です。ユーザーは匿名性の高い立ち位置から自由な発言をするため、時には耳の痛い意見が出ることもあるでしょう。ポジティブな内容だけを取り入れるのではなく、ネガティブな内容もしっかりと聞き入れて改善することで、企業としてより良いものを提供できるようになるはずです。

またTwitterには、ツイートに最大で4つの選択肢を設定できる、アンケート機能があります。活用することで、より手軽にユーザーの意見を集められるでしょう。

Twitter運用のパターン

Twitter運用には、アカウントを作ってツイートやユーザーとの交流をするパターンと、費用をかけて広告を出稿するパターンがあります。またインフルエンサーを起用して、第三者に宣伝してもらうというパターンもあります。費用対効果を考えながら、それぞれを複合的に行うのがおすすめです。3つの方法について、順番に解説します。

公式アカウントを運用する

企業のTwitter運用は、Twitterの公式アカウントを作成し、ツイートやフォロワーへのリアクションといった活動を行うのが主流です。企業によるツイートは、この後ご紹介する「Twitter広告」とセットで「オーガニック投稿」と呼ばれることもあります。

公式アカウントの運用開始方法

企業がTwitterアカウントを作成する場合でも、特別な設定や登録を行う必要はありません。個人のユーザーアカウントを作る際と同じように、Twitterへアクセスし、[アカウント作成]から項目に沿って進めてください。登録時には名前やメールアドレスといった情報を入力する必要があるため、社内で共有しても問題ない内容にしておきましょう。

運用開始前の段階では、プロフィール画像とヘッダー画像を設定し、ユーザーがアカウントの世界観やテーマをひと目でわかるようにしておくのがおすすめです。各画像のおすすめの縦横比は以下の通りです。

画像縦横比(アスペクト比)
プロフィール画像400 × 400ピクセル(1:1)  
ヘッダー画像1500 × 1500ピクセル(1:1)  

ユーザー名と表示名を分かりやすくすることも大切です。ユーザー名とは、@マークから始まる15文字までの英数字のこと。表示名は、プロフィールのユーザー名の上に表示される最大50文字のテキストで、日本語表記も可能です。

またプロフィールの紹介文は160文字まで入力できるため、ビジネスの内容を分かりやすくまとめておきましょう。指定ハッシュタグやキャンペーンをここに記載するのも有効です。その他、URLリンクや位置情報、店舗がある場合の営業時間など、埋められる項目は全てしっかりと記入しておいてください。

公式アカウントの用意ができたら、いよいよ運用の開始です。Twitterの機能をフル活用し、日々コツコツとユーザーとのコミュニケーションを取りましょう。

出典:ビジネス「ビジネスで利用するTwitterプロフィールの作成」

https://business.twitter.com/ja/basics/create-a-twitter-business-profile.html(2022-1-10)

Twitter広告を配信する

ある程度の予算があれば、Twitter広告を出稿するのもおすすめです。Twitter広告では、通常のツイートに近い形で、テキストや画像の広告をターゲットとしたユーザーのタイムラインに配信できます。

Twitter広告を利用すると、より多くのユーザーにコンテンツを表示させられるため、1回の施策でアプローチできるユーザーの数が予算に応じて倍増します。一定の費用は掛かるものの、オーガニック投稿で目指すには時間のかかるような目標を、比較的短い期間で達成できる可能性があります。

Twitter広告の配信方法

Twitter広告を配信するには、配信主となるアカウントが必要です。Twitter広告のホームページから、広告を配信したいTwitterアカウントにログインしてください。このとき、Twitterアカウントのステータスは[公開]であり、削除や凍結がされていない状態でなければなりません。

また当然のことですが、Twitter広告を配信する際は、Twitter広告品質ポリシーに準拠する必要があります。

  • プロフィールやヘッダーにはGIF形式の画像は使わない
  • 公式URLなどへのリンクがプロフィールに記載されている

といったルールが定められているため、運用開始前に確認しておくことをおすすめします。

出典:広告アカウントの作成

https://business.twitter.com/ja/help/account-setup/ads-account-creation.html(2022-1-11)

出典:アカウントのTwitter広告への参加資格

https://business.twitter.com/ja/help/ads-policies/campaign-considerations/about-eligibility-for-twitter-ads.html(2022-1-10)

インフルエンサーを起用する

間接的な方法ではありますが、インフルエンサーを起用して、彼らに自身のアカウントを使って商品やサービスをPRしてもらうのも一つの手です。起用したアカウントの人気度がダイレクトに影響するため、人気の高い人や著名人に依頼できれば、費用はかかるものの爆発的な反響を得られるかもしれません。

Twitter内でインフルエンサーを起用する方法

企業公式のTwitterアカウントを持っていれば、SNSの中で人気のユーザーや影響力の高いアカウントを検索することが可能です。またDMを使ってTwitterの中でインフルエンサーにコンタクトを取れるため、PR契約の交渉を直接行うことができます。

直接交渉するのが難しい場合や、第三者に任せたい場合は、専門の代理店に依頼してもよいでしょう。

ユーザーに好まれる投稿やアカウントとは?

企業がTwitterアカウントを運用する際、ユーザーから応援してもらうためには、ビジネス目的であることが極力表に出ないように演出することが重要です。以下のような点を心掛けましょう。

ニーズに沿った役に立つ情報を提供している

ユーザーはTwitterを使って、タイムラインに表示されるコンテンツを閲覧したり、Google検索のように情報を調べたりします。このときユーザーには、大量のコンテンツが一覧として表示されます。その中から運用中のアカウントを気に入ってフォローしてもらうには、ユーザーにとって重要性が高く、利益につながる情報を発信する必要があります。"ニーズに沿ったコンテンツを作る必要がある"とも言えるでしょう。

せっかくTwitter運用をするのであれば、商品やサービスの宣伝を行いたいところです。しかしそればかり行ってしまうと、ユーザーに煩わしいと思われてしまい、思ったような反響を得られないかもしれません。Twitterの場合、拡散や新規フォローをしてもらうのが難しくなる他、すでにフォローしてくれているユーザーが離れていってしまう原因にもなり得ます。

新規フォローやアカウントのファンを増やしていくには、まずユーザーが得たいと思う情報をわかりやすく提供し、「役に立つアカウント」と認識してもらうことを心掛けてください。具体的には、一般消費者には分からないような企業ならではのテクニックや、ユーザーが疑問や悩みを持ちやすい事柄についての専門的意見、関連性の高い豆知識などがおすすめです。もちろん、シンプルにエンターテインメントとして楽しませてくれるコンテンツも人気です。またコンテンツの内容は、より鮮度が高く、より共感しやすいものが拡散されやすい傾向にあります。

ユーザー参加型のツイートをしている

ユーザーが思わず話題に参加したくなるような内容のツイートを積極的に行うのもおすすめです。

例えばツイート内で質問を投げかけ、「Aならいいね」「Bならリツイート」などとユーザーのリアクションを指定しておきます。先述したアンケート機能を活用するのも一つの手です。またツイートやプロフィールで特定のハッシュタグを指定しておき、それを見たユーザーに、自身のツイートで使ってもらう手法も有名です。

キャンペーン型のツイートをしている

ユーザー参加型のツイートに特典などを付けたものが、キャンペーン型のツイートです。

キャンペーンの手法に決まりはありませんが、フォロー&リツイートしてくれたユーザーに商品やサービスのクーポンを提供したり、景品をプレゼントしたりする企画を、ツイート内で説明するものが多いです。抽選キャンペーンとして、当選者の人数を限定する場合もあります。ユーザーの目を引き、参加者がリツイートで拡散してくれるため、アカウントの認知度を大幅に上げる効果が期待できます。

またユーザーがキャンペーンに参加した直後に結果が分かるよう、当落結果を自動で送信できる外部ツールもあります。そうしたツールを利用したキャンペーンのことを「Twitterインスタントウィンキャンペーン」と呼びます。ツールを導入する際は、製作者が信頼でき、自社にとって使いやすいものを選択してください。

なおキャンペーン型のツイートは、まだ商品やサービスのことを知らない潜在顧客に自社をアピールできる反面、キャンペーンの終了後に彼らの関心をつなぎ留めるのが難しい場合があります。施策を打つ際は、キャンペーンに参加したユーザーのニーズを満たせるコンテンツを、長期的に発信し続けられるよう考慮するべきです。キャンペーンはあくまでも、ユーザーが自社に興味を持つきっかけとなるものとして考えましょう。

見映えにも配慮している

大量の情報の中から自社のツイートに注目してもらうには、ある程度見栄えにもこだわるのがおすすめです。あたたかみがあり近寄りやすい雰囲気をテキストで表現するには、文章内容の工夫に加え、絵文字や記号を活用するのも一つの手です。ユーザーから見て読みやすくするために、適度な改行を入れ、パラグラフの仕切り線として絵文字や記号を利用するのもよいでしょう。

ただし日常の何気ない事柄をツイートするのであれば、装飾を付けすぎない方がリアルに見えるケースもあります。ユーザーからの見え方を意識して、アカウントやコンテンツに適した表現にこだわってみてください。

また1つのツイートで伝えられる情報量には限りがあります。ユーザーに伝わりやすくするには、話題を1つのみに絞りましょう。入りきらない場合は「ツリー形式に分けて投稿する」「外部サイトに詳細を記載し、そのURLに誘導する」といった工夫も必要です。

さらには画像や動画の見え方にもこだわりましょう。画像や動画を添付する際は、その縦横比(アスペクト比)が見栄えに影響します。2023年1月現在、Twitterは画像や動画の推奨サイズや、保存形式には触れているものの、縦横比については言及していません。一般的には以下の比率が良いとされています。

画像の種類縦横比(アスペクト比)
横長画像1200 x 900ピクセル(4:3) 1200 x 800ピクセル(3:2) 1280 x 720ピクセル(16:9) 1200 x 600ピクセル(2:1)
縦長画像1200 × 1600ピクセル(3:4)
正方形1200 x 1200ピクセル(1:1)

出典:ヘルプセンター「画像やGIF画像付きでツイートする方法」

https://help.twitter.com/ja/using-twitter/tweeting-gifs-and-pictures(2022-1-9)

トレンドワードを意識している

ユーザーはTwitterの検索画面から、トレンドのワードを含むコンテンツを探せます。トレンドに挙がっているうちにそのワードを含んだツイートをすると、そうでないツイートと比べて、閲覧やリアクションをしてくれるユーザーの数が増えるでしょう。幅広い層のユーザーにツイートを見てもらえる可能性があるため、無理のない範囲でトレンドに沿ったツイートを意識してみてください。

出典:ヘルプセンター「Twitterのトレンドについてのよくある質問」

https://help.twitter.com/ja/using-twitter/twitter-trending-faqs(2022-1-9)

積極的なリプライやいいね

全てを網羅するのは難しいかもしれませんが、自分たちの商品やサービスに関する投稿を見つけた場合は、リプライやいいねなど何らかの反応を示すのがおすすめです。

テレビCMや紙面広告などが主流であった時代は、企業からユーザーへ配信する構造が当たり前でした。顧客との直接のコミュニケーション手段がないため、一方的に情報を流すばかりで、ユーザーからの反響を知るには別途調査を行う必要がありました。

そういったデメリットを打ち消して、双方的なコミュニケーションを可能にしたのが、SNSマーケティングです。中でもTwitterは、これまで解説してきた通りリアクションを示しやすい機能が豊富にあるため、より活発なコミュニケーションを取ることができます。ユーザーに親近感を持ってもらいやすく、ファンの増加にもつながるはずなので、リプライやいいねといったリアクションは積極的に行いましょう。

Twitter運用を始める際のポイント

ここからは、実際にTwitter運用を始める際のポイントをご紹介していきます。

運用の目的をはっきりさせる

Twitter運用を始める際は、まず目的をはっきりさせましょう。企業にとっての利益につなげるために、Twitterによって何をどこまで到達させるのか、はっきりと決めておくことが重要です。代表的な目的には、アカウントへの集客や企業のブランディング、マーケティングリサーチなどが挙げられます。

目標(KGI・KPI)を設定する

運用の目的が明確になったら、具体的な目標、KPIやKGIを設定します。KPIとは日本語で「重要業績評価指標」と言い、どのくらい目標に近づいているかを測る中間地点の指標です。またKGIは「重要目標達成指標」という意味で、何を・どれくらい・いつまでに行うことで目標に到達するかを数値化した指標です。

Twitter運用のKPIやKGIを設定する際は、リツイートやいいね、リプライといったデフォルトでツイート内に表示されている指標の他、Twitterアナリティクスなどで調べられる項目を活用してください。

Twitterアナリティクスなどでわかること

Twitterアナリティクスは、ブラウザ版のTwitterに備わっている分析機能です。過去28日のうちの数値変動や月ごとの統計データ、ツイートごとの数値を調べることができ、指標には以下のようなものがあります。

  • インプレッション:ツイートがTwitterで表示された数
  • エンゲージメント:ツイートに対するユーザーの反応の合計(クリック、リツイート、リプライ、フォロー、いいね)
  • エンゲージメント率:エンゲージメント数をインプレッション数で割った割合
  • 新しいフォロワー数:ツイートから直接獲得したフォローの数
  • プロフィールへのアクセス数:ツイートからプロフィールが閲覧された数

ツイートごとのインプレッションやエンゲージメントなどの指標については、ブラウザでもアプリでも閲覧できる各ツイート内にある機能「ツイートアクティビティ」でも確認できます。

これらの数値について、いつまでにどの程度をマークし、最終的にどの程度の数値を目指すのか、具体的な目標を決めておきましょう。

外部ツールを利用した分析について

なおTwitterでは、外部ツールを利用して同様の数字を分析することもできます。外部ツールの中には費用が必要なものもありますが、その分専門的な知識やマーケティングノウハウを持った第三者にアドバイスをもらえたり、運用自体を任せられたりする点がメリットです。自社のリソースや目標の大きさと照らし合わせて、どのように運用するのかを決定しましょう。

アカウントのキャラクターやテーマを決める

具体的な目標数値が定まったら、今度は運用の方針として、キャラクターやテーマを決めていきます。どのような情報を取り扱うのか、アカウントの立ち位置、表現の方法など個性が出る要素を決めておきましょう。

Twitterには多数の幅広い層のユーザーがいるため、全てのユーザーをターゲットとするようなテーマは、原則必要ありません。自社の利益につながりそうなユーザーを絞り込み、その人に好まれる運用を計画する方が重要です。マーケティング用語では、そのような具体的なターゲットを「ペルソナ」と呼びます。ペルソナをできるだけ細かく設定した上で、ペルソナにとって有意義なコンテンツを作り上げることをおすすめします。

運用担当者と運用ルールを決める

企業として組織的にTwitterを運用する際は、運用担当者と運用ルールをきちんと決めておくことも大切です。既存社員が手隙の時間で更新する程度では、ツイート内容の精度が上がらず、フォロワーへの返信やリアクションもおろそかになってしまうでしょう。目標達成までには長いスパンが必要となることも多いため、担当者に負荷がかからないような運用体制にしておく必要があります。

複数人で運用を分担するのであれば、担当者によって投稿内容や雰囲気に差が出ないよう、先ほど決めたアカウントの方針をしっかりと共有しておいてください。具体的な言葉遣いや装飾の使い方、ユーザーとの距離感といった項目をルールとして定め、ツイート前に確認できるチェックリストなどの形で明示しておくと安心です。

また複数人で担当するのが難しい場合や、休日にも更新したい場合は、Twitterの予約投稿機能を活用しましょう。予約投稿についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

▼Twitterの予約投稿機能で業務を効率化! 考慮すべきことや注意点についても解説      [A1] 

ライバルとなる企業アカウントを設定する

Twitter運用の準備段階では、ライバル企業のアカウントをベンチマークとして設定しておきましょう。すでに成功して反響を呼んでいるような企業アカウントを選び、成功の要因を探ります。またユーザーが見比べるであろう同じ業界のアカウントや、ターゲット属性の近いアカウントも参考になるはずです。

ベンチマークを設定したら、プロフィールの写真やアカウントの世界観などを、自社のアカウントと比較してみてください。ライバルに打ち負けてしまいそうな場合は、自社のアカウントのテーマやルールを見直し、調整をかけましょう。

Twitter運用中に押さえておきたいポイント

続いて、Twitter運用中に押さえておきたいポイントをご紹介します。

<PDCAを回して分析と改善を続ける

Twitter運用をスタートした後は、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つを繰り返し、業務内容などをより良い方向へと改善する考え方のこと。ビジネス用語として有名なので、ご存知の方も多いでしょう。

一度施策を行って終わりではなく、数値を分析し、どのような改善策で次の計画につなげるかを考えることが、Twitter運用の成功を左右します。先述したTwitterアナリティクスなどの指標をもとに、計画的にPDCAを回せるよう、振り返りのタイミングなどを先々までスケジューリングしておくのがおすすめです。目標を達成できたときはもちろん、目標値に届かなかったときこそ原因究明を行い、次の施策の精度を上げるのに役立てましょう。

<h3毎日コツコツと発信する

Twitter運用では、なるべく頻繁に発信することをおすすめします。Twitterは気軽にアクションを起こしやすいSNSである分、一つのツイートが淘汰されるスピードも、他のSNSと比べて早いです。トレンドも短いサイクルで変わっていくため、ユーザーに忘れられないよう世間の話題にアンテナを張り、あらゆる情報に対してコツコツと発信を続けるように心がけましょう。企業としてTwitter運用を行うのであれば、最低でも1日1回以上ツイートした方が良いと考えられます。

なおユーザーのタイムラインに流れるツイートは、ユーザーの設定によって表示順が変わります。以前までは時系列で上から順に新しいツイートが表示されるのが一般的でしたが、最近では、Twitter独自のアルゴリズムによっておすすめのツイートが表示される設定がデフォルトになっています。

<h時間帯を考慮する

Twitterでより多くの反響を得るには、ツイートなどの時間帯も考慮しておきましょう。繰り返しになりますがツイートなどのコンテンツは、時間が経過すると他のユーザーによるコンテンツの中に埋もれてしまい、ユーザーに発見してもらいづらくなる可能性があります。せっかく内容にこだわってツイートしても、フォロワーや検索したユーザーに見付けてもらえなければ大きな効果は期待できません。

そのため、ツイートやリツイートなどのアクションをする際は、ユーザーがTwitterを利用している可能性が高い時間帯に行うことをおすすめします。一般的に平日の通勤通学時間帯や企業の昼休みの時間帯、帰宅後のタイミングは、Twitterを開いているユーザーが多いです。ピークタイムはアカウントのターゲットの属性によっても前後するので、いくつかパターンを試した上で、特に反響を得られた時間帯を狙って行うようにすると良いでしょう。

ベンチマークアカウントのツイート内容を分析する

Twitterの運用中は、開始前に設定しておいたベンチマークアカウントの運用状況を、定期的に観察しましょう。新たな情報やユーザーとのコミュニケーションの中から、より反響を得ているコンテンツを見分けられるようになれば、自社のTwitter運用の施策に生かせるはずです。

Twitter運用の注意点

最後に、企業がTwitter運用を行う際に注意すべき3つの点について解説します。

炎上につながらないようにする    

ここまでご説明してきた通り、Twitterは情報の拡散に優れた、匿名性の高いSNSです。ポジティブな情報ならできるだけ拡散させたいものですが、まれに悪い評価や根も葉もない噂が流れ、望ましくない注目を浴びてしまう可能性もあります。ネットスラングではこれを「炎上」と呼んでおり、大きく炎上した場合、テレビやインターネットのニュースで取り扱われることもあります。

企業としてTwitterを運用する際は、社内ルールなどにコンプライアンス遵守についての項目を必ず盛り込み、ユーザーの信頼を損なわない運用を続ける必要があります。万が一不適切な内容や、Twitterのルールに反した内容の発信をしてしまった場合は、企業全体に対するユーザーからの信用を一気に失いかねません。関係者全員で日頃から注意を払った上で、運用するようにしましょう。

また企業アカウントとして発信する際は、ネガティブな内容や配慮のない内容、センシティブな内容、公平性に欠く内容などは原則避けておいた方がよいです。特定のユーザーと偏ったコミュニケーションを取るだけでも、他のユーザーが「自分は相手にしてもらえないのに」などとネガティブに感じ、嫉妬や逆恨みを招いてしまう可能性があります。第三者の視点を常に持ち続け、誰が見ても不快に思うところのない運用を心掛けてください。

長期的な目線で、実現可能な目標を立てる

Twitter運用は「すぐに結果が出る」という性質の施策ではありません。ある程度のフォロワーを獲得し、彼らにアカウントの情報拡散や、商品やサービスの購入・利用をしたいと感じてもらうまでには、一定の時間が必要です。

また運用の成果を出すにはPDCAを繰り返し、反響を確認しながら、徐々に優れたアカウントへと育てていかなければなりません。目標を長期的なものとして、日々の運用で少しずつクリアすることが大切です。目標の内容は、KPIやKGIが設定できる、実現可能な範囲のものにしておきましょう。

フォロワー数ばかりを増やそうとしない

Twitter運用は、フォロワーが多ければ多いほど、直接情報を届けられるユーザーが増えます。しかしフォロワー数ばかりを気にして、無作為にユーザーからのフォローを増やそうとするのはおすすめしません。アカウントへの興味がないフォロワーや、アクティブでないフォロワーの割合が増えてしまうと、かえってエンゲージメントが下がってしまう可能性があります。

アカウントのエンゲージメントが低い場合、同じ施策を実行しても、思ったような反響を得られないでしょう。またアカウントへのコメントやいいね、リツイートといったユーザーからのアクションが少ないと、ユーザーに「フォロワー数の割に人気のないアカウント」という印象を与えてしまう可能性があります。

そのためTwitter運用ではフォロワー数ばかりを気にするのではなく、先述した他の指標も含めたKPI・KGIを決め、アカウントをバランスよく成長させていくべきです。

まとめ

Twitter運用では、商品やサービスのアナウンスだけでなく、新商品の開発秘話や実際にサービスを提供している様子などをツイートし、拡散させることができます。いいねやリツイートなどの機能によって、ユーザーに親近感を持ってもらいやすいSNSのため、ファンを増やしたり認知度をアップさせたりするのに、押さえておきたいSNSです。これからTwitter運用を始めるという企業の担当者の方は、ぜひ本記事で解説した内容を参考に、自社に合った運用の方法を検討してみてください。