インスタグラムでは、インスタグラム側の判断によってアカウントの管理権限が凍結されてしまうことがあります。この措置を「アカウント停止」と言い、TwitterやFacebookといった他の一般的なSNSでも、採用されている仕組みです。
本記事ではインスタグラムにおけるアカウント停止について、停止されてしまう理由や停止される可能性の高い行為、万が一停止されてしまった場合の対処法などをご紹介します。
突然アカウントにログインできなくなりパニック状態に陥ることのないよう、本記事の内容をしっかりとチェックして、日々の運用にお役立てください。
※本記事は2022年10月現在の情報です。
インスタグラムのアカウント停止とは?
インスタグラムのアカウント停止措置によって停止されたアカウントは、ログインができなくなり、投稿やコメントといった活動が一切行えなくなります。日々の運用活動ができず、コツコツと増やしてきたファンが離れていってしまう原因にもなるでしょう。
なおアカウント停止は多くの場合、ルールに違反するアカウントを野放しにしないようにする目的で実行されており、インターネットスラングですが「BAN」などと呼ばれることもあります。措置が実行される際にアカウントへの予告などはなく、「ある日突然アカウント停止されていた」という状態になることが多いです。
インスタグラムでは、アカウントが停止された場合、ログイン画面にエラーのアラートとメッセージが表示されます。
アカウントが停止されてしまうのはなぜ?
インスタグラムでアカウント停止されてしまう理由には、以下のようなものがあります。
- インスタグラムのルールに違反している
- 法に抵触している
- インスタグラムが第三者からの違反報告を受けた
- 長期間アカウントにログインしていない
一つずつ詳しく解説します。
インスタグラムのルールに違反している
インスタグラムの「利用規約」と「コミュニティガイドライン」に違反すると、アカウント停止されることがあります。
2022年10月現在は「違反をすると即停止される」という訳ではありませんが、2019年7月以降、アカウントが停止される対象が広がっており、Twitterなど以前よりルールが厳しくなっているSNSも多いことから、徐々に取り締まりが厳しくなっていく傾向にあると考えられます。
今後は規約の変更や厳重なパトロールなどが行われる可能性があるため、ルールに違反しないことはもちろん、アカウント停止の原因になりそうな内容の投稿は現段階から避けておいた方が無難です。
法に抵触している
インスタグラムのコンテンツに他社の商標を無断で使用したり、公序良俗に反する内容を公開したりといった、法に抵触する投稿をしてはいけません。利用規約にも行ってはならない旨の記載はされていますが、そもそもこれらは犯罪行為にあたります。アカウントが停止されるだけでなく、被害者から訴えられ、場合によっては法的な処罰を受けるでしょう。
グレーゾーンの話として、過去にはインスタグラム上に投稿された画像や動画を、埋め込みAPIを使用してホームページなどに転載するのはOKという風潮がありました。ただし2020年6月の時点で、インスタグラムは「埋め込み機能に画像の使用許可は含まれない」といった旨の声明を出しています。当然ながら他者の投稿した画像や動画を自分たちの投稿に無断で転用することも、アウトと言えます。
インスタグラムが第三者からの違反報告を受けた
インスタグラム内でユーザーが不適切な投稿やアカウントを見付けた場合、ごく簡単な操作で違反報告ができるようになっています。受けた違反報告の累計が一定数を超えたり、短期間のうちに複数のユーザーから大量の違反報告をされたりした際には、インスタグラムが該当のアカウントの運用内容をチェックします。そのアカウントが実際にルール違反をしているかどうかにかかわわらず、第三者の報告がきっかけでインスタグラムのパトロールが行われるのです。
実際に違反が確認された場合、先述の通りそのアカウントは停止される可能性があります。
また違反をしていなくても、何らかの間違いでアカウント停止をされてしまう可能性もゼロではありません。残念なことに、悪意あるユーザーのいやがらせなどによって不必要な違反報告をされてしまった結果、「健全に運用していたのにアカウントを停止された」という状況も起こり得ます。
インスタグラムもこのことは把握しており、救済措置としての異議申し立てが簡単にできるようになっています。また根拠のない違反報告を短期間のうちに大量送信するような悪質なユーザーについては、インスタグラムが「彼らの行為の方がルールに反している」と判断し、違反報告を繰り返したユーザーのアカウントを停止することもあります。
長期間アカウントにログインしていない
インスタグラムにログインしないまま一定の期間が経過すると、インスタグラムはそのアカウントを休眠状態と判断し、アカウント停止をすることがあります。具体的な期間は明示されていません。
インスタグラムにアクティブなユーザーとして認識してもらうには、ログインと何らかのアクションを定期的に行う必要があります。
企業アカウントの担当者を変更した場合や、運用の方針が変わった場合などは、新たな体制への引き継ぎで操作をしない期間ができてしまうこともあるかもしれません。そのような際も定期的に、可能であれば毎日ログインして、ユーザーへのいいね!やコメントだけでも行うようにしましょう。
インスタグラムのルールに反する行為
ここで、インスタグラムのルールに反する行為について詳しく見ていきましょう。インスタグラムの利用規約やコミュニティガイドラインでは、以下の行為が禁止されています。
他人の作った画像や動画を無断で利用した投稿
画像や動画には著作権や知的財産権があります。許可を得ず勝手に他人の写真や動画を自分のコンテンツへ利用することは、持ち主の権利を侵害する、法に反した行為です。先述の通り、アカウント停止の対象となるでしょう。中には使用は許可されているものの、二次加工は禁止となっている素材もあるため、テキストを入れたりデザインに組み込んだりしたい場合は注意が必要です。
他人の権利を侵害する行為は犯罪に当たる他、ブランドイメージを大きく損ねることにもつながります。あくまでもオリジナルのものか、許可を得ている写真や動画を使用するようにしましょう。
また当たり前のことではありますが、他人の写真を勝手にプロフィール画像にし、その人になりすましてアカウントを運用する行為も禁止されています。
肌の露出が多い画像や動画の投稿
インスタグラムのコミュニティガイドラインには、あらゆるユーザーに配慮した写真と動画を投稿するよう明記されています。
ヌード画像が原則禁止とされているため、例えば露出している肌の面積が多いファッションのコーディネート写真などは、悪意がなくとも卑猥な投稿としてインスタグラムに目を付けられてしまう可能性があります。
大量のコメント・いいね!・DM
アカウントへのフォローやシェアを人為的に集める行為や、一方的に商品やサービスを紹介するようなメッセージを何度も送る行為は、禁止されています。宣伝の報酬として金銭の支払いや商品提供をするのもNGです。
2021年10月以降、インスタグラムは外部の自動ツールを利用して投稿や大量のいいね!などを行うアカウントを排除する方針を強めました。そのためこれまで使えていた多くのツールが使えなくなり、ツールを多用していたアカウントは停止されています。
たとえツールを使用していなかったとしても、コピー&ペーストで作ったコメントを大量に書き込んだ場合や無作為にいいね!を行った場合、みさかいなくDMを送り続けた場合などは、禁止行為に当たるとみなされ、アカウント停止をされてしまう可能性があります。
同じコンテンツを何度も繰り返し投稿することや、「#instagram」「#popular」などの汎用性が高すぎるハッシュタグを使って投稿する行為も、スパムとして捉えられてしまうので控えましょう。
ユーザーのアクションを斡旋する投稿やコメント
良いレビュー投稿や高評価のコメントをお願いしたり、他のユーザーにアカウントをおすすめする投稿をしてもらったりする行為も、アカウント停止の対象となり得ます。
コンテンツの内容にこういった行為が含まれると、ユーザーにとって有意義でなく、不誠実な内容と判断されます。
犯罪を助長する投稿
インスタグラムのコミュニティガイドラインでは、犯罪を助長するような行為が禁止されています。テロや組織犯罪を支援・応援してはいけません。
また性的なサービスの提供や、許可が必要な商品の売買および手配、生き物の売買なども認められないことが明記されています。未成年を犯罪に巻き込むのも禁止です。
その他賭け事やマネーゲームの宣伝は、インスタグラムから書面で許可をもらう必要があります。
暴力的・差別的な投稿
インスタグラムはコミュニティを重視しており、社会や個人にとって身体的・金銭的に脅威となり得る投稿を禁止しています。
例えば自傷行為を推奨したり、あげつらったりすると、ユーザーから報告があった場合にはカウントが停止されてしまう可能性があります。
また明らかな脅迫や嫌悪感の公開、一般人に対する誹謗中傷、名誉毀損などは、嫌がらせ行為とみなされ削除されます。人種差別をはじめとしたさまざまな暴力的・差別的な発言も、明確に禁止されています。
インスタグラムのアカウントが停止された場合の対処法
先述の通り、インスタグラムのアカウント停止には救済措置が設けられています。
情報を復元できたり、停止後14日以内なら再度ログインできたりするので、違反をしていないにもかかわらず何らかの間違いでアカウント停止されてしまった場合などは、焦らずインスタグラムに異議申し立てを行いましょう。
異議申し立ての方法
異議申し立ての問い合わせは、インスタグラムのヘルプセンターにある、専用フォームから行います。停止されたアカウントのログイン画面からも、同じWebページに飛ぶことが可能です。氏名、メールアドレス、ユーザーネーム、携帯電話番号と共に、異議申し立てを行いたい理由を記述して、[送信]を押してください。
一般アカウントではなくプロアカウントを運用している場合は、このタイミングでもうひと手間必要です。事業内容を証明する公的文書の写しとして、事業免許や確定申告の写しの提出が必要となります。
異議申し立てを行うと自動返信メールが届き、アカウント停止の解除条件が表示されます。メールで指示された通り、認証コードと氏名、ユーザーネームを紙に書き出してください。必要事項が書けたら、その紙を自身の手で持ち、手と顔が映っている状態で自撮りをします。イメージとしては海外の囚人写真のようなポーズです。自撮りした写真をメールに添付して返信すると完了です。
運用内容に問題がなく、異議申し立てが正当なものと判断されると、アカウント停止が解除されます。
解除されるまでにあまり時間はかけたくないところですが、多くの場合、異議申し立てからアカウント復旧までには、1週間~1カ月程度掛かります。連休などの影響も受けるため、この期間に年末年始やお盆休みを挟む場合は、さらに長引くかもしれません。停止解除後、特に通知がなく「いつの間にか解除されていた」といったケースもあるので、少しでも早く運用を再開したい場合は、毎日小まめにチェックしておく必要があります。
異議申し立てをしてもアカウントが復旧しない場合にできること
1週間以上が経過してもインスタグラムからのリアクションがない場合は、ログインに関する問題が起きている可能性があります。以下の方法を試してみてください。
- インスタグラムからのメッセージが迷惑メールフォルダに入っていないか確認する
- タイミングを変えて再度メールを送る
- レビュー欄からインスタグラムに連絡する
なお、乗っ取り行為などによって第三者にアカウントを完全に削除されてしまった場合は、残念ながらアカウントを復旧することはできません。以前と同じメールアドレスで新しいアカウントを作成することはできるものの、同じユーザーネームは取得できない場合があります。
インスタグラムのアカウント停止を回避する方法
ルール違反にならない運用を心がけるのは当然ですが、万が一不本意な理由でアカウント停止になってしまった場合であっても、先述の通り復旧されるまでにはある程度の時間が掛かってしまいます。利用規約やコミュニティガイドラインを遵守した上で、アカウント停止を極力避けるには、以下の2つの方法を検討してみましょう。
- アカウント認証を受ける
- アカウントの設定を非公開にする
まず、なりすましアカウントと疑われて違反報告を受けた場合に、自身の所有するアカウントであることを簡単に証明できる方法をご紹介します。
インスタグラムでは、実在する有名人やブランドのアカウントを運用している場合、アカウント認証を受けることが可能です。認証されたアカウントは、名前の横に青いチェックマークが表示されます。インスタグラムからアカウント認証を受けると、「アカウントに掲載されている内容に虚偽がない」とインスタグラムに認めてもらっていることになるため、万が一の場合もすぐに正当性を証明することができます。
不当な違反報告などに困っている場合は、アカウントを非公開にしてしまうのも一つの手です。プロフィールの詳細や投稿内容がフォロワーにしか表示されなくなるので、無関係なユーザーからのアクセスを強制的にシャットアウトできます。この際、フォロワーの精査を行い、不審なアカウントからフォローされていない状態にしておくことも重要です。
また連絡先はこまめに更新し、定期的にアクティビティのバックアップを取っておくことをおすすめします。
連絡先の情報は、先述の通りアカウントを復旧させる際に必要になります。利用するメールアドレスや電話番号が変わった際は、連絡先情報も併せて変更しておいてください。
インスタグラムで投稿したコンテンツは、ダウンロードして控えておくことが可能です。これまでに投稿した画像や動画をバックアップとして保存しておけば、万が一アカウントが停止されて復旧できず、新たにアカウントを作り直すことになっても、すぐにコンテンツをそろえることができるでしょう。
自らアカウントを一時停止することもできる
最後に、アカウントの一時的な利用解除について解説します。
インスタグラムには一定期間だけアカウントを停止し、ユーザーに表示されないようにする機能があります。これを利用するとこれまでの投稿や、アカウントが付けたいいね!やコメントなどが非表示になります。
アカウントそのものを消す「アカウント削除」とは違い、アカウントの一時的な利用解除は、好きなタイミングで利用を再開することが可能です。不正利用を防ぐため、利用解除の設定は1週間に1回までという制限がありますが、一定期間インスタグラムの管理ができない場合などには重宝する機能と言えるでしょう。
インスタグラムのアカウントが停止されても慌てず対応しましょう
ルールを守ってトラブルなく運用できていれば、インスタグラムのアカウント停止はそうそう起こり得る問題ではありません。しかし公開されたアカウントを運用している以上、悪意あるユーザーからのいやがらせなどで不当にアカウントが停止されてしまうリスクは、ないとは言い切れないのが実際のところです。
本記事でご紹介したような、アカウント停止につながる行為を行っていないか今一度確認し、万が一のための対処法などを覚えておきましょう。
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