Web上で自社の商品やサービスを売るためには、自社のWebサイトにユーザーを集める必要があります。
Webサイトへの集客方法にはいくつかの選択肢がありますが、中でもユーザーのデバイス上で直接ユーザーに訴えかけられるWeb広告は効果的な手法と言えるでしょう。こうしたWeb広告を配信するのであれば、よりコンバージョン(CV)を追求したいもの。
Web広告で有名なGoogle Ads(以下、Google広告と同義)をうまく活用すれば、想定以上の反響を得られるかもしれません。
しかし、ただ闇雲にGoogle Adsを始めるのではなく、利用を検討するにあたってはそもそもGoogle Adsとはどんなサービスなのか、どのような広告を出せるのかということを知っておく必要があるでしょう。
本記事では、Google Adsの概要や種類など、使いこなすために覚えておきたいポイントについて解説します。
Adsとは? Google広告はどうやって表示されている?
Google Adsとは「Google広告」とも呼ばれる、Googleが運営するWeb向けの広告出稿サービスです。
検索結果やWebサイトにテキストやバナーなどで広告が表示されているのを見たことがある方も多いでしょう。
これらはYahoo!やFacebookのAudience Network、アドネットワークによるものも含まれていますが、多くがGoogle広告で、代表的なものとしてリスティング広告やディスプレイ広告が挙げられます
リスティング広告の場合は、Google検索でユーザーが検索したキーワードと広告主が入札したキーワードが一致した際に、検索結果画面に広告が表示され、ディスプレイ広告の場合はユーザーが過去に閲覧したWebサイトやオンラインショッピングの履歴などから、興味関心が高そうな広告をGoogleのサービスや提携Webサイト、アプリに表示させます。
Google Adsには他にもさまざまな種類の広告があり、Google Adsを利用することで、Googleの検索結果やGoogleのサービス、その他のWebサイトやアプリなど、多くの場で自社の商品をアピールすることができるのです。
元はGoogle AdWords(アドワーズ)という名前
Googleの広告サービスは以前からあり、当時はGoogle AdsではなくGoogle AdWords(アドワーズ)と呼ばれていました。サービス内容に大きな変更はないため、名前のみが変更されたと思っていただいて問題ありません。
どうして表示されるの?
Google Adsの中でもリスティング広告は、先述の通りユーザーが検索したキーワードと、広告主があらかじめ入札を行っていたキーワードが一致した場合に表示されます。ユーザーはそのキーワードに対して興味関心を持ち検索をしているわけですから、ニーズにマッチする広告文を表示できれば、クリックにつながりやすくなるでしょう。
一方、ディスプレイ広告の場合、ターゲティングを設定することによって潜在層に向けて広告を表示することができます。検索などを通して一度自社サイトに訪問したユーザーに対してはリマーケティングによって段階的にアプローチし、最終的にCVにつなげるといったことも可能です。
なぜこのようなことが可能になるのかというと、ユーザーが過去にGoogleで実際に訪問したWebサイトのテーマなどをGoogleが収集し、そのデータに基づいてユーザーの興味関心を分析しているからです。
閲覧傾向など個人情報は問題ないか?
先述の通りGoogle Adsのディスプレイ広告はユーザーの閲覧傾向から興味がありそうな広告を表示する仕組みになっているため、「個人情報を収集し利用していることに問題はないのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はGoogle検索の規約の中に「Googleが検索履歴などを収集する」という条項が含まれており、ユーザーは本来、これに同意した上でGoogle検索を使用することになっています。
また、広告の掲載先となるWebサイト側にも、ユーザーの閲覧傾向に基づいた広告を表示させることや、広告内容についての情報収集がGoogleによって行われることなどを示したプライバシーポリシーが掲載されているのです。
上記のような理由から、Google Adsはユーザーに対して個人情報利用についての呼びかけをし、その同意を得ているものとして、法的には問題がないと考えられています。
とはいえ、ヨーロッパを中心に個人情報保護の考え方が厳しくなっているため、必ずユーザーの目につく場所に情報収集について告知し、記録が残る形で同意を得る動きが広まっているのも確かです。
AdSenseとは全く別物
Googleによる広告関連サービスには、AdSense(アドセンス)というものも存在します。
これはGoogle広告とは全くの別物。
Googleが提供する広告サービスであるという意味では一緒ですが、対象と目的が全く異なるサービスになります。
Google Adsというのは事業者が自分たちの商品やサービスをアピールする目的で広告を出稿するために活用するものです。もちろん費用を支払って利用します。
一方でAdSenseというのは、自身が運用するWebサイトに広告枠を設けて広告を掲載するサービスで、広告収入を得たいという場合に活用するものです。
つまり、Google Adsは広告を出稿したい事業者向け、AdSenseはその広告を掲載する場所を貸すサービスということになります。
Ads(Google広告)の仕組みや特徴は?
Google Adsを出稿するためには、料金がどのような形でかかってくるのか、どのような広告形式があるのかなどを把握しておく必要があるでしょう。
Google Adsではオークション制度を採用しているため、予算の使い方によって広告の効果自体が大きく左右されます。課金の仕組みについて事前によく理解し、より効率的な広告出稿を行いましょう。
課金方式
まずGoogle Adsで採用されている課金方式について確認していきましょう。
主な課金方式は以下の2つです。
クリック課金
Googleの広告サービスの多くでは、クリック課金が採用されています。
クリック課金は、広告をクリックしてはじめて「1クリック〇円」という形で料金が発生するシステムです。クリックされる回数が多ければ、それだけ広告費用が加算されることになります。
逆に、Googleのサービス上に広告が表示されても、ユーザーがクリックしないかぎり費用は発生しません。
そのため、かかった費用の分だけ確実にアクセスを集められるという点がメリットです。
ただし、広告を表示させるために設定するキーワードの選定を間違えると、クリックされてもCVに結びつかず広告費だけが積み上がっていくということも考えられます。
検索キーワードに対して上位表示されるWebサイトをよく分析するなどし、キーワードの選定に時間をかけましょう。
インプレッション課金
上記でご説明した「クリック課金」以外の課金方式も存在しています。
具体的には「インプレッション課金」と呼ばれるもので、広告が1,000回表示されるごとに課金されるという制度です。「表示課金制」と呼ぶこともあります。この課金方式はGoogle広告ではメインではなく、Google検索結果へのテキスト表示や、パートナーサイトへのバナー広告では基本的に使われていません。
バナー広告がメインのディスプレイ広告はインプレッション課金での運用も可能です。クリック課金とは逆で、クリック率が高くなってもコストが変わらない分、料金設定がしやすいと言えるでしょう。
オークション形式の広告掲載を採用
Google Adsでは、掲載順位はオークション形式で決められています。
広告を表示させる際に設定するキーワードは、そのキーワードごとに人気度が異なり、掲載のためにいくらまで費用を出せるかをそれぞれの広告主が決めることになるのです。
掲載順位は入札価格と広告ランクで決まります。
広告ランクとは、入札価格や広告の品質、広告表示オプションなどに基づいて算出されるスコアのこと。
入札価格が競合より安い場合でも、キーワードと広告の関連性などの広告の品質に関わるスコアが高ければ、より上位に表示されることもあります。
逆に入札価格が競合より高くても、スコアが低ければ上位表示を望めない場合もあるのです。
「検索ネットワーク」「ディスプレイネットワーク」形式を採用
Google Adsは2種類の広告形式を利用できる点も特長です。
・検索ネットワーク
・ディスプレイネットワーク
Google Adsには、上記2つの広告形式が採用されています。
「検索ネットワーク」とは、Google検索をはじめとするさまざまな検索関連Webサイトやアプリなどに広告が掲載され る形式のことを指します。
検索キーワードと関連性の高い広告が表示されることから、ユーザーの関心を得られやすく、クリックにつながりやすい点が特長です。
またGoogleという巨大なプラットフォームに掲載されているという安心感や信頼感も、クリック率向上の後押しになると考えられます。
「ディスプレイネットワーク」とは、多くのWebサイトやアプリ、Googleが運営するYouTubeやGmail、サービスに広告が掲載される形式を指します。
具体的にはYouTubeやGmailといったGoogle関連でありなおかつ人気サービスへ掲載されるため、多用なユーザーへリーチすることが可能になるのです。
先述したAdSenseも、このディスプレイネットワークに含まれます。
Googleのスマートアシストキャンペーンの登場で設定がより簡単に
本来、Google Adsに出稿するためには、表示させたいテキストだけではなく、ターゲットやキーワード、予算などさまざまな設定をしなければいけません。
細かく設定することにより、より綿密なプロモーションができるという側面もありますが、慣れていない方だと設定が複雑に感じるケースも多いでしょう。
そこで便利なのが、Googleの「スマートアシストキャンペーン」という機能です。
いわばGoogle広告の設定が簡単にできる機能で、広告の目的、配信地域、予算などそれほど多くない項目の設定を行うだけですぐに広告を出稿できます。
Ads(Google広告)の種類
Google Adsには、広告の種類がいくつかあります。
それぞれの特長を理解し、自社の広告をどのように掲載するのが一番効果的かを考えてみましょう。
リスティング広告
Googleの検索エンジンなどの検索結果に表示される広告です。ユーザーが検索したキーワードと広告主が入札をかけたキーワードが一致した際に、検索結果画面上に広告が表示されることから、「検索連動型広告」と呼ばれることもあります。
広告は画像とテキストの組み合わせやテキストのみの場合もあり、画像とテキストの場合はアイキャッチとタイトル、簡単な紹介文、テキストのみの場合は主にタイトルと簡単な紹介文が表示されます。ユーザーが入力した検索キーワードと関連した検索結果ページに広告を表示できるため、顕在顧客に訴求できるのがメリットです。
ディスプレイ広告
Webサイトを表示したときやアプリケーションの画面などに表示される広告です。
ディスプレイ広告の特徴は、Googleのサービスや提携サイトに広告が表示される点でしょう。
さまざまなWebサイトに自社の広告が表示されるようになるため、リーチ数が各段に上がりやすくなります。
画像を使っている広告なので、目を引きやすくクリックを期待できる点もメリットでしょう。
Google ショッピング広告
Googleショッピングのページに掲載される広告で、商品画像と価格、紹介文が表示されます。
ユーザーが自社の商品に関連するキーワードで検索を行った際、あらかじめ設定しておいた商品情報と検索キーワードをGoogleが照合し、関連する商品を広告として表示する仕組みです。
ECサイトのような形で画面に出るため、ユーザーはすぐに商品を選んで購入ページに遷移することができ、高い効果が期待できます。
YouTubeなどの動画広告
動画広告とは、その名の通り動画形式の広告です。
Googleの動画広告の多くがYouTubeに表示されるため、「YouTube広告」と呼ばれることも。
動画を視聴する前、もしくは視聴中に5秒程度~長いものだと1分以上の広告が流れるのを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。5秒後にスキップできるものや最後まで視聴しなければいけないものまで種類はさまざまです。
ユーザーが本来目的としている動画そのものと関連性が高いものや、ユーザーの検索履歴から興味関心がありそうな広告が表示されるため、他の広告と比べて比較的リーチしやすいのがメリットでしょう。
また昨今ではSNSの利用率が高いことから、より多くのユーザーにアプローチしやすくなっているという特長もあります。
アプリ広告
アプリを使用中に、画面の下部や全画面に表示される広告です。バナーとテキストの組み合わせや、主にアニメーションによる動画の広告が多い傾向にあります。昨今のアプリは実に用途が幅広く、スマートホンにインストールしているユーザーも増えているため、ターゲットに合った広告表示が期待できます。
自社アプリの宣伝や普及を狙うのであれば、ぜひ活用しておきたい広告です。
ファインド広告
主にAndroid端末のDiscover、YouTubeやGmailで表示される広告です。
ファインド広告の特徴は、コンテンツの途中やホーム画面で表示されるという点でしょう。
ユーザーは何か新しい情報を得たいと考えている段階であるため、広告に興味を持ちやすいのがメリットです。他のGoogle広告よりユーザー属性を細かく設定して出稿できるのも特長で、より効率の良い広告運用を可能とします。
ローカル広告
Googleマップで店舗や企業を宣伝するための広告です。ユーザーが付近のマップを開いた時に、店舗の情報と共にマップ上にピンなどで表示されます。そのまま口コミや写真、営業時間などを見られるので集客効果が高いです。実店舗をアピールして直接来てもらうために使うという点で、他の広告とは目的の違いがあります。
まとめ
Google Adsにはさまざまな用途や掲載メディア、広告の種類の違いがあり、自社のニーズに合わせたマーケティングがしやすいのがメリットです。
また限られた予算の中でも自社製品の特徴についてよく理解し、ペルソナを設定し 、適切な広告セットを行うことで、想定より高い効果を得られる可能性もあります。
自社の商品やサービスをより多くの方に知ってもらいたい、CV率を向上 させたいとお考えの方は、ぜひGoogle Adsの活用を検討されてみてください。