インスタグラムは2010年10月にサービスを開始し、2022年現在、日本国内だけでも約3,300万人、世界規模では約10億人の月間アクティブユーザーがいる人気のSNSです。
10代~20代の若者を中心に利用が広がりましたが、最近では40代~50代のユーザーや、男性のユーザーも増えています。
インスタグラムの特徴は文章ではなく画像や動画を使った視覚的な情報が多いこと。
またユーザーは「新しいもの、好きなものと出会いたい、発見したい」というマインドでインスタグラムを利用する傾向があります。
インスタグラム広告では、そうしたインスタグラムの特性を生かし、潜在層へ商品をPRしたり、文章では伝えづらいサービスの特長を画像や動画で訴求したりすることが可能です。
本記事ではインスタグラムの広告のやり方について解説していきます。失敗例やコツも紹介しているので参考にしてください。
※本記事の情報は2022年3月時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。
※.出典:総務省「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
そもそも、インスタグラム広告とは?
インスタグラム広告とは、インスタグラムのフィードやストーリーズなどへ掲載するWeb広告のことです。
2010年にリリースされたインスタグラムは、2015年5月、日本国内でのインスタグラム広告の配信を開始しました。
Web広告の一般的なデザインはテキスト、画像、動画のいずれかであったり、2つ以上を組み合わせたりすることでユーザーへ訴求しますが、インスタグラム広告は特に画像と動画に重点を置きユーザーへアプローチします。
日本国内での広告配信を開始した翌年からは、インスタグラムビジネスプロフィールや、インサイト機能など、インスタグラム上でビジネスを展開するためのツールが続々とリリースされました。
2017年にはインスタグラムショッピングも日本で開始しています。現在では、コロナ禍の影響を受けてECショップの需要が増えていることから、インスタグラムのショッピングやインスタグラム広告の機能は、積極的にアップデートされています。
インスタグラム広告の強みや特長
インスタグラム広告には、画像や動画などによる視覚的な訴求ができるという強みがあります。
前述したようにインスタグラムのユーザーは、自分にとって新しいものや好きなものを見つけたいという心理で利用している傾向があります。そのため新規顧客の獲得や、購買行動を促す広告と相性が良いです。
具体的には、通販サイトでの購入やWebサイトからの問い合わせ・予約などをコンバージョンとするBtoCの商品やサービスが、インスタグラム広告とマッチしやすいでしょう。
また広告運用においては、インスタグラム広告はMeta社のサービスであるため、同社サービスのFacebook広告と同じプラットフォームから配信することができます。
Facebook広告の高精度なターゲットの分析やデータ収集を活用できる点も、インスタグラム広告の強みの一つと言えるでしょう。
インスタグラム広告の費用の仕組み
インスタグラム広告では、広告を作成するときに最小予算を設定する必要があります。
広告の配信設定によって異なりますが、基本的には奨励されている最小予算は1日1ドル(およそ100円)程度です(※)。
お試し的に広告配信したい人や、あまり期待せずに気軽にトライしてみたい人にとって、インスタグラムは広告配信しやすいプラットフォームと言えます。
なお、1ドル(およそ100円)という金額はあくまで最小予算です。設定自体は1ドルでできますが、現実的な運用予算は宣伝する商品やサービス、配信したい広告フォーマットや規模などによって変わります。
本格的に運用する場合は、広告配信前に予算の計画を立てるようにしましょう。
インスタグラム広告の費用には、インプレッション課金(CPM)、クリック課金(CPC)、インストール課金(CPI)、広告視聴単価(CPV)の4つの課金方式があります。
インプレッション課金(CPM)はインスタグラムユーザーに1,000回表示されるごとに料金が発生します。「いいね」の数やコメント数、広告のクリック数は考慮されません。
広告を配信する商品やサービスの業種によって1,000回あたりの料金は変動しますが、およそ500円~1,000円程度が相場価格です。
クリック課金(CPC)は、広告がクリックされるごとに料金が発生します。クリックの回数に応じた料金のため、広告が表示されるだけでは料金は発生しません。広告を配信させる商品やサービスによって異なりますが、相場価格は1クリックあたり40円~100円程度です。業界によっては、1クリック当たり500円以上になるケースもあります。
インストール課金(CPI)は、インスタグラム広告に表示しているリンクから、アプリをインストールすると料金が発生します。
相場価格は1インストールあたり100~150円程度です。広告が表示されているだけであったり、ユーザーが広告をクリックするだけでは料金は発生しません。
広告視聴単価(CPV)は、動画の再生回数によって料金がかかります。料金が発生するタイミングは「再生を開始した」「10秒以上視聴した」「最後まで視聴した」というように、いくつかの選択肢があります。
相場価格は1回の再生あたり4円から7円程度です。
上記のように、インスタグラム広告の課金方式は、定額料金制ではありません。また出稿する広告によって選べる課金方式が異なるため、予算を決める時に十分検討するようにしましょう。
※参考:Metaビジネスヘルプセンター「最小予算のベストプラクティス」
インスタグラム広告の種類
インスタグラム広告には基本的に以下の広告フォーマットと配置方法(配信先)があります。
さらに、インスタグラムならではの広告フォーマットとして「アンケート広告」「ショッピング広告」「ブランドコンテンツ広告」があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フィード | ストーリーズ | 発見タブ | インストリーム動画 | リール | ショップ | |
写真広告 | ○ | ○ | ○ | – | – | ○ |
動画広告 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – |
カルーセル広告 | ○ | ○ | – | – | – | ○ |
コレクション広告 | ○ | ○ | – | – | – | ○ |
アンケート広告 | – | ○ | – | – | – | – |
ショッピング広告 | ○ | – | – | – | – | ○ |
ブランドコンテンツ広告 | ○ | ○ | – | – | ○ | – |
広告フォーマットについて
広告フォーマットは主に「写真広告」「動画広告」「カルーセル広告」「コレクション広告」の4種類です。
写真広告は画像1枚とメインテキスト、見出し、説明で構成されています。4種類のフォーマットの中では一番手間をかけずに配信できるシンプルなフォーマットです。
動画広告は、動きのある映像と音でサービスを宣伝できます。写真やテキストよりもユーザーの目を引きやすいため、インパクトのある宣伝をしたい場合に向いています。
カルーセル広告は1つの広告で最大10件の画像や動画を表示できる広告です。正方形または縦型のフォーマットで画像や動画が1枚ずつ表示され、スワイプをすることで複数の画像を切り替えて表示されます。例えば画像を複数枚使用して商品の概要を説明したり、複数の商品を宣伝することが可能です。
コレクション広告はグリッド状のレイアウトの広告を表示できるフォーマットです。カバー画像と呼ばれるメインの大きな画像もしくは動画と、4枚の小さな画像を表示させることができます。多くの商品を紹介したい通販のようなサービスと相性が良いでしょう。
配置方法(配信先)について
インスタグラム広告の配信先は主にフィード、ストーリーズ、発見タブ、インストリーム動画、リール、ショップの6種類から選択できます(※)。
「広告」という表示は付きますが、どの配信先でも、通常の投稿とほぼ変わらない形式で広告を掲載できるのが、インスタグラム広告の特長の一つです。
そのためインスタグラム広告は、ユーザーが広告に対して違和感やわずらわしさを感じにくく、自然に訴求できます。
フィードへの配信
フィードはTwitterやLINEのVOOM(旧タイムライン)と同じような機能です。
それぞれのユーザーのフィードには、フォローしているアカウントの投稿が表示されます。フィードを使用している時のユーザーは、自分の気になる情報を探しているのではなく、受動的な状態で何かしらの情報を得たい場合が多いです。フィードは商品や自社ブランドの認知度を高めたい時に有効な配信面です。
ストーリーズへの配信
ストーリーズはトップページの上部にある、ストーリートレイと呼ばれる枠に表示される機能です。フィードとは別枠で短い動画や画像をフルスクリーンで投稿でき、24時間で消えるという特徴があります。ストーリーズの広告は、ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーが3回表示されると、広告が1つ配信されるようになっています。広告枠では15秒以内で動画や画像を使った広告を配信できます。
ストーリーへの配信は、フルスクリーンでインパクトのある広告を配信したい場合に向いているでしょう。
発見タブへの配信
発見タブは2012年に開始された機能です。虫眼鏡のアイコンをタップするとグリッド状にさまざまな投稿が表示されます。
発見タブはユーザーがフォローしている人や、「いいね!」をクリックした投稿などのデータを元に、ユーザーがまだフォローしていないアカウントの中からおすすめの投稿を表示しています。
ユーザーは、検索フォームで知りたい情報を検索することも可能です。
ユーザーが発見タブを使用している時は、新しい情報を積極的に求めている状態のため、発見タブへの配信は潜在層へのアプローチに有効と言えます。
リールへの配信
リールは最大60秒の動画を共有できる動画機能です。動画SNSとして人気のTikTokに似た機能としてインスタグラムでも人気が高まっています。
再生ボタンのアイコンをタップするとリール画面が表示され、フルスクリーンで動画を1件ずつ見ることができます。
リールはリール画面の他に、フィード、発見タブ、リールを投稿したアカウントのプロフィールでも表示されます。
リール広告は、リールとリールの間に表示され、通常のリールコンテンツと同じようにフルスクリーンでループ再生されます。またリール広告に対してコメント、「いいね!」、表示、保存、シェアもできます。ただし、リール広告では動画の長さは最大30秒です。
インストリームへの配信
インストリーム動画広告は、長編動画のコンテンツに15秒程度の動画広告を差し込み表示させる広告のことです。インスタグラムでも、インスタグラムにリンクされた長編動画に対して、この広告を再生することが可能です。
ショップへの配信
ショップはユーザーがインスタグラム上でショッピングを行える機能です。ショップのアイコンで表示される画面は、ユーザーの好みに合わせた商品をデフォルトで表示します。
ショップ広告はこの画面に広告を配信でき、広告フォーマットは写真広告、カルーセル広告、コレクション広告の中から選べます。またショップに配置した広告にはリンクを設定することも可能で、例えば広告をタップをしてECサイトの商品詳細ページに遷移させるということもできます。
※参考:Metaビジネスヘルプセンター「Instagramの広告配置について」
追加機能について
インスタグラムの追加機能にはアンケート広告、ショッピング広告、ブランドコンテンツ広告があります。
アンケート広告は広告の中でユーザーへ2択の質問を投げかけ回答を集める広告で、ストーリーズに掲載することができます。
ユーザーと積極的にコミュニケーションを取りたい場合に活用できる広告フォーマットです。
ショッピング広告とブランドコンテンツ広告はフィードに表示できる広告フォーマットです。ショッピング広告では、フィードに掲載した広告のタグから、そのままECサイトでの購入を促すことが可能です。
ブランドコンテンツ広告では、人気のインスタグラマーの投稿を広告として配信できます。具体的には、インスタグラマーに商品やブランドのPRを投稿してもらった後、その投稿を広告として配信するといった方法です。インスタグラマーとは、インスタグラムのフォロワー数が多く、投稿した内容の影響力が大きいユーザーのことです。そのため、ユーザーからの注目が高いインスタグラマーによる訴求効果を狙う場合に有効です。
インスタグラム広告の出稿手順
ここからはインスタグラム広告の出稿手順について以下の5ステップに分けて解説します。
・前準備
・Facebookページと連携
・広告キャンペーンの作成
・支払い設定をする
・広告の出稿審査
・出稿
前準備:クリエイティブやターゲットの設定
前準備として、広告配信のクリエイティブやターゲットをあらかじめ決めておきましょう。
インスタグラム広告においてクリエイティブとは、広告のフォーマットや仕様のことを指します。宣伝したい商品やサービスに対して、どのようなフォーマットで配信をするのか、広告からコンバージョンへどのようにつなげるのか、必要な画像や動画のサイズや形式、テキストの文言など、仕様を固めます。
また仕様が固まったら、広告を出稿するまでに、必要な画像や動画を用意しておきましょう。
ターゲットについては、訴求したいターゲットの性別や年齢などを設定します。ターゲットによって広告の色使いやデザインは変わります。例えば主婦をターゲットとする場合でも、20代の若い主婦なのか、50代の子育てを終了した主婦なのかによっても広告の内容は変わりますので、ターゲットは明確に定めておきましょう。
アカウントの作成
インスタグラムで広告を出稿するには、以下の3つを用意する必要があります。
・広告用のインスタグラムのアカウント
・Facebook広告アカウント
・Facebookページ
インスタグラムとFacebookのそれぞれのアカウントを用意しましょう。
インスタグラムの広告用のアカウントは基本的に個人アカウントではなくビジネスアカウントで作成します。
なお、Facebookビジネスマネージャアカウントが既にある場合は、ビジネスマネージャアカウントの画面からインスタグラムのアカウントを作成できます。
既にあるインスタグラムのアカウントを登録することも可能です。
ビジネスマネージャアカウントに登録すると、Facebookやインスタグラムの広告の一元管理ができるため、あらかじめ行っておくと良いでしょう。
ビジネスマネージャにインスタグラムのアカウントを追加する方法は以下の通りです。
1.ビジネスマネージャにログイン後、トップ画面左上にある「≡ ビジネスマネージャ」→「ビジネス設定」をクリック
2.「アカウント」をクリック
3.「Instagramアカウント」をクリック
4.青い「追加」ボタンをクリック
5.「Instagramアカウントをリンク」をクリック
6.Instagramのユーザー名とパスワードを入力
なお本記事ではビジネスマネージャアカウントにインスタグラムのアカウントを登録し、ビジネスマネージャアカウントから広告を出稿する流れを解説しています。
続けてFacebookページを作成します。
7.ビジネスマネージャの左メニューにある「ページ」をクリック
8.ページ名、カテゴリを入力する
9.「Facebookページを作成」をクリック
10.ページのトップ画像や連絡先などを設定する
Facebookページがしっかり作り込まれているほど、ユーザーからの信頼が集まります。
Facebookがメインで運用するSNSではない場合でも、最低限の企業情報は記載するようにしましょう。
Facebookページと連携
アカウントの作成と、Facebookページの作成が完了したら、インスタグラムのアカウントとFacebookページを連携します。
連携させることで、Facebookページとインスタグラム間で投稿や写真を、簡単にシェアできるようになります。
その他には、Facebookの広告をインスタグラムにシェアしたり、サードパーティアプリを統合したりすることも可能です。
インスタグラムのアカウントをFacebookページと連携する方法は以下の通りです。
1.Facebookページを開く
2.メニューの「設定」をクリック
3.「インスタグラム」をクリック
4.「アカウントをリンク」をクリック
5.「受信箱でInstagramメッセージへのアクセスを許可する」をオンにし、「次へ」をクリック
6.アカウントのユーザー名とパスワードを入力し、「ログイン」をクリック
広告キャンペーンの作成
インスタグラム広告を作成するには、ビジネスマネージャアカウントで広告マネージャを開き、キャンペーンと広告セットを作成する必要があります。
キャンペーンでは広告を出稿する目的の設定を行います。
1.「≡ 全てのツール」→「広告マネージャ」をクリック
2.キャンペーンタブの「作成」ボタンをクリック
3.候補の中からインスタグラム広告の目的を選ぶ
(例)ブランドの認知度アップ、リーチ、トラフィック、アプリのインストール など
4.任意のキャンペーン名を入力する
ここまでが広告キャンペーンの作成です。
次に、広告セットの作成を行います。
「広告セット」タブでは、広告を表示させるターゲットの属性や、予算、入札価格の選択などを行います。
5.「オーディエンス」セクションで広告のターゲットを作成する
6.「予算と掲載期間」セクションで広告の予算と、掲載期間を設定する
7.「広告配信の最適化」セクションで広告の最適化対象を選択する
8.「入札価格」のセクションで「手動入札」を選択する
9.任意の広告セット名を入力する
なお最適化対象で選択できる内容は、キャンペーンで選択した目的によって変わります。
例えばキャンペーンの目的をリーチに設定していた場合、広告配信の最適化で選択できるのは「リーチ」と「インプレッション」です。
リーチを選択したらできる限り多くのターゲットに広告が配信され、インプレッションを選択したらターゲットに含まれるユーザーへ広告が配信されるというような違いがあります。
その他の最適化対象については公式で確認してみてください(※)。
ここまでが広告セットの作成です。
次に広告の作成を行います。
「広告」タブでは配信する広告のクリエイティブを作成します。
10.「フォーマット」セクションで、広告に使用するクリエイティブの種類を選択する
11.広告に使用する画像や動画をビジネスアカウントマネージャにアップロードする
12.「クリエイティブ」セクションで、Facebookのニュースフィードにビジネスを表示するためのFacebookページを選択する
13.「Instagramアカウント」の下で、Instagramアカウントを選択する
14.「見出し」、「テキスト」、「CTA(コールトゥアクションボタン)」などの広告の詳細情報を入力する
なお、「詳細オプションを表示する」でさらに細かいオプションが選択可能
15.「広告プレビュー」の下に、広告が掲載されるすべての配置が表示されるため、掲載先にしない場所は「削除」を行う
以上で広告の作成は完了です。
このまま公開する場合は、「公開」をクリックして広告を公開します。
公開に進まない場合は「閉じる」をクリックすると、下書き保存され、あとで編集できるようになります。
※Facebookビジネスヘルプセンター「各目的で利用可能な広告配信の最適化対象」
※Facebookビジネスマネージャアカウント「広告マネージャ」
支払い設定をする
キャンペーンを作成した後は、支払い方法を設定します。
「ビジネス設定」→「支払い」をクリックし、支払い方法を登録しましょう。
日本国内における支払い方法は、クレジットカード決済、PayPal決済、銀行振込の3種類です。
クレジットカード決済はアメリカンエキスプレス、JCB、MasterCard、VISAのクレジットカードに対応しています。なおこの4つのいずれかのブランドが付いているデビットカードでも支払いが可能です。
PayPalでの支払いは、事前にPayPalへの登録が必要です。
銀行振込は、日本においては原則としてオンラインでの振り込みにのみ対応しています。
広告の出稿審査
インスタグラム広告を配信するには、必ずインスタグラムによる審査を受けなければなりません。
1度審査に通過した広告であれば、ほぼ利用し続けることが可能です。
インスタグラム広告の審査ではFacebookが定める広告ポリシー(※)に従っているかをチェックされます。以下はその一例です。
・Facebook広告はFacebookのコミュニティ規定に、インスタグラム広告はインスタグラムコミュニティ規定に違反していない
・違法な製品やサービスの広告ではない
・差別的な行為ではない
・タバコ製品や関連器具の販売や利用の宣伝ではない
・動画広告や同様のタイプの広告では、画面の点滅など過度に利用者の妨げになる手法ではない
など
広告ポリシーは画像、動画、テキスト、ターゲット設定、広告のリンク先といった点を対象範囲とします。
ほとんどの広告は24時間以内に審査が完了し、審査に通過した広告は順次インスタグラムに掲載されます。
※Facebook広告「広告ポリシー」
インスタグラム広告を出す際の注意点
インスタグラム広告を出稿する際には、どのような点に注意したら良いのでしょうか。ここでは以下の基本的なポイントについて解説します。
・インスタグラムのアカウントを作成していない
・配信面にあった広告クリエイティブの利用
・Facebook広告のアップデートは随時確認
・画像内にテキスト量が多すぎる
・広告ポリシーを事前確認する
配信先にあった広告クリエイティブの利用
インスタグラム広告は、広告を出稿する目的と、目的に合った広告フォーマット、そして配信先に合った広告クリエイティブが重要です。
目的を明確にしないまま広告を作り適当に配信してしまうと、思ったような成果が得られません。
インスタグラムの特徴はより魅力的な画像や動画がユーザーの目を引く点にあります。
どの配信先においても、画像ならできるだけ高画質、動画なら最初のワンシーンで一番インパクトを与えるようにしてみましょう。
商品やサービスによっては、どの年齢層を対象としているのかなど、ターゲットが分かりやすい広告のほうが好まれるケースもあります。
A/Bテストなどを繰り返し行い、配信先やターゲットに合った広告クリエイティブを作成しましょう。
Facebook広告のアップデートは随時確認
インスタグラム広告は、Facebook広告と同じプラットフォームを使っています。そのため、Facebook広告のアップデートはインスタグラム広告にも反映されます。
例えば最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広告ポリシーの変更や調整が随時行われています(※)。
これは新型コロナウイルス感染症に関連する、特定の医療用品や需要の高い商品が、搾取的な行為と結びついているケースがあるためです。
他にも広告の表示形式や配信先は日々アップデートされているため、都度チェックするようにしましょう。
※Metaビジネスヘルプセンター「新型コロナウイルス感染症に関連する広告ポリシー」
画像内のテキスト量が多すぎる
インスタグラムでは広告に挿入するテキストの量は、20%未満にするとパフォーマンスが上がるとされています(※)。
20%未満というのは広告審査のルールではありませんが、視覚的にユーザーへ訴求することを重視し、長い文章やコンテンツを1枚の画像の中に挿入する方法は避けましょう。
※Metaビジネスヘルプセンター「より魅力的な広告を作成するためのベストプラクティス」
広告ポリシーを事前確認する
広告の出稿審査で前述した広告ポリシーには、さまざまなルールが定められています。
広告を出稿する商品やサービスに問題がない場合でも、広告の内容や宣伝の方法が違反してしまっているケースもあり得ます。
例えば、エンゲージメントベイトを行う行為は「低品質または邪魔なコンテンツ」に該当するケースがあります。
エンゲージメントベイトとは、「いいね」やコメント、シェアなどのリアクションを行うようにユーザーを誘導して、エンゲージメントやリーチを人為的に増やすことです。
具体的には「「いいね!」をした人には◯◯します」といった広告を配信する行為が該当する可能性があります。
このように、商品の宣伝方法も広告ポリシーで指針が記載されているため、必ず事前に確認するようにしましょう。
※Instagramヘルプセンター「広告の品質とパフォーマンスを高めるために避けるべき広告の特徴」
出稿後はPDCAを意識して、CV最大化を狙う
インスタグラム広告は、出稿することが最終的な目的ではありません。出稿した広告がどのような効果を出しているかを繰り返し分析することで、より成果を大きくできます。
PDCAのペースとしては、データの収集・分析や改善を行いながら、1週間~1カ月程度の細かい区切りで回していくのが理想的です。
ここではPDCAを行う上でのポイントを4つご紹介します。
クリエイティブは適切か
注意点でも説明しましたが、クリエイティブの差は広告がもたらす印象を大きく左右します。
以下のようなポイントに気を付けながらクリエイティブを作成しましょう。
・ターゲットに合った内容になっているか
・表示形式に合わせたデザインになっているか
・画像の解像度が低くなっていないか
・画像に挿入したテキスト量は適切か
・伝わりやすい画像・動画になっているか
またPDCAを回す際は、テキストやその表示位置、サイズ、色などが異なる複数のパターンで用意します。
そしてユーザーの反応が良いものを探しながら作っていきましょう。
リンク先は適切か
インスタグラム広告からWebサイトへ遷移させたい場合は広告にリンクを設定します。
リンク先のランディングページは、インスタグラム広告と同じぐらい重要な役割を持っています。
ユーザーが広告に興味を示し、リンクをクリックしても、リンク先の内容が広告と一致していなければユーザーは離脱してしまいます。
構成やコンテンツも含めて、ユーザーに効率的かつ効果的に訴求できているページであることを確認しましょう。
設定予算は適切か
インスタグラム広告には、低予算からでも広告を配信できるメリットがあります。また1日あたりの予算の設定か、期間で設定する通算予算のどちらかを選択できるので、PDCAを回しながら予算を決めていくようにしましょう。
例えば、季節商材などは、多くのユーザーが興味関心を向ける時期があります。
そうした繁忙期に通常と同じ予算で広告配信を進めてしまうと、獲得できたはずのユーザーへ訴求できない可能性もあります。
PDCAでは、ユーザーが商品やサービスに興味関心を強く持つタイミングもチェックしていくようにしましょう。
ターゲットは適切か
インスタグラム広告に限りませんが、広告効果を最大化するためには、ターゲットの絞り込みが必要不可欠です。
ターゲットを絞り込むには、ペルソナの設定が役立ちます。ペルソナとはターゲットを的確に絞るための仮想ユーザーです。性別や年齢だけでなく、年収、仕事内容、趣味、居住地域、家族構成、健康状態などまで考えて、具体的な人物像を作り上げます。
ペルソナを設定することによって、ターゲットが考えていることや、生活の中で不便に感じていること、欲しいものなどがより明確に見えてきます。
PDCAでは、ターゲットの見直しも定期的に行いましょう。最初に設定したターゲットと、実際のコンバージョンにつながっているユーザーがマッチしているのかなどを分析します。
マッチしない場合はターゲットの見直しや、方向性の改善を検討していきます。
まとめ
インスタグラム広告では、画像や動画を使って、商品やサービスを効果的にユーザーへ訴求できます。
インスタグラムのユーザーは、自分にとって新しいものや好きなものを見つけたい、という心理を持っていることが多いです。そのためインスタグラム広告は、新規顧客の獲得や、購買行動を促したい場合に効果的と言えるでしょう。
効果的なインスタグラム広告の運用を行うには、定期的にPDCAを繰り返し、広告の画像や動画、テキストの内容を見直したり、各種設定を調整したりと改善を重ねていくことが大切です。
もし、PDCAがうまく回せていない、広告の成果が出ないといった場合は、広告運用支援ツールなどを活用する方法もあります。
アドスタは、広告の運用や管理を簡単に行えるツールで、プロによるサポートも受けることが可能です。
SNS広告の知識が少なく、広告配信まで時間がかかりそうといった方でも安心して配信まで行うことができます。
これからインスタグラム広告を行おうとしていたり、もっと効果的な広告配信を行いたいと考えている方はご検討ください。